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日本に輸入したいもの (2)

前回書いて、続くかわからないと宣言していた輸入したいシリーズ。
奇跡的に連載になりました。恐らく第2回までで終わりですが。
第1回はこちら、かわいいスーパーTrader Joe'sについて。

今、紹介するのも季節的に離れすぎて微妙なのですが、
誰か新規戦略に飢えた日本人マーケターに輸入して欲しくて。

アメリカで大事な連休にThanksgivingがあります。
いわゆる感謝祭ですが、
在米歴の長い人の投稿や空気感から知るに
日本のお正月の面倒臭さと似た日なのでは。
例えば帰省ラッシュとか、
伝統的で大して美味しくもない食事を
家族親戚一同で大きなテーブルを囲んでだらだら食べるとか、
家族で駅伝を見るように、アメフトを見るとか、
その時期はお役所も個人商店もお休みとか、
初売りセールがあるとか。
そのセールが
ブラックフライデー。

wikipediaより。
『感謝祭が過ぎるとクリスマスまで約ひと月となり、
クリスマスプレゼントの購入に向けて消費が動くため、
各小売店では感謝祭をクリスマス・セールの前哨戦と位置づけ、
客足をあてこんで金曜日から特別セールを行う。
金曜日のセールで小売店の収支が黒字になることから
感謝祭の翌日を「ブラック・フライデー」

週明けの月曜日に職場の高速回線を利用してウェブ通販でプレゼントを
購入する人が多いことから感謝祭休み明けの月曜日を「サイバー・マンデー」

と呼ぶ場合がある。
感謝祭からクリスマスまでのひと月は、小売店の年間の総売上で重要な期間となり、
通説では小売業の年間売り上げの半分がこの一ヶ月に集中する。
消費者向け製品を作る各社もこの「年末商戦」に間に合うように
新製品を発売するのが通例である。』


Thanksgivingは11月の第4木曜です。
木曜から金曜に日付が変わった瞬間にセールがスタートします。
店内全品30%OFFとか、先着何名の限定品を目当てにテントを用意して並んだり。
冬なので厚手ダウンでみんな並んで待機します。
北国ミシガンでも寒さに負けず、
家電量販店の前にテントを張って限定品を狙う人もいます。
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↑うちからも近かった家電量販店、Bestbuyのイメージ。

ここで注意したいのはオープン時間。
日付が変わる瞬間=深夜0時。
当然、公共交通機関はなく、アナーバーではみんな車で移動でした。
きっとダラダラ食べてテレビ見て
さーそろそろブラックフライデー並びに行くよー!
お母さんはMacy's行く!私はアバクロ!お父さんは運転!
みたいな流れなんでしょう。
20140128_2.jpg
↑こちらもうちから近かったジャスコ系なスーパー、Targetのイメージ。

私がブラックフライデーが好きなのは
深夜に買い物するって変なテンションだから楽しい!
ってこと。なので、ぜひ、売上に困った店とか導入してください。
交通機関については知りません…。

サイバーマンデーについてはこのように書いてあります。

『サイバーマンデーにオンラインショップの売上が急増するのは、
休暇明けの月曜日に職場の高速回線を使ってオンラインの店舗にアクセスして
買い物をする人々が多いためであるとも、
感謝祭の休暇中には実店舗での買い物に外出したり帰省していた人々が、
家庭に戻ってオンラインでショッピングするからであるとも言われる。
また、オンラインショップ各社がサイバーマンデーと銘打ってセールを行うことも、
当然、売上が大きく増える要因である。』

職場でお買いものすれば印刷も簡単だしセキュリティもしっかりしてるしね。
図書館でPCを開いている学生のほとんどがPPTやエクセルではなく
facebookを開いているような感じね!納得!

ちなみに、私がおもしろいなぁと思った言葉。
Thanksgiving dayの名物料理ランキング。
マッシュポテト?アップルパイ?やっぱりターキー?
いえいえ、left overだそうです。

これは残り物を全て挟んだサンドイッチ。
翌週のランチになります。
Thanksgiving left over recipes でたくさん検索できます。
20140128_4.jpg

おせちに飽きてついつい雑煮ばっかり食べちゃうような感覚と
七草がゆの習慣をミックスしたような感覚かな。



蛇足ですが、リンクのために過去記事をあさったら
「日本に輸出したいもの」とありました。
日本は当時の自分にとっては海外=輸出で、今はそうではないんだな、と
無意識が文字に出ちゃったことに少し驚き、寂しくなりました。
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ネコをなでるだけの簡単なお仕事です

突然ですが、私はネコ派です。

小学校のころから社会人2年目頃まで、実家で白猫を買っていて
それはもう、溺愛していました。そう、そう、こんな感じで。
参考:ネコを飼いはじめた話

昔、うちのネコにも青いTシャツを着せたらすごく嫌がって腰が引けてしまい、
その姿がかわいくてかわいくて大爆笑した。


ネコが死んでから、なおさら「飼いならされた家猫」への愛着が強くなり、
人懐こいだけの野良猫でもなく、
だからと言って猫カフェの競争社会な感じでもなく、
お腹出して寝ちゃったり、飼い主に飯出せーここ撫でろーって文句言うような
内弁慶で野性味がなくて、人間にネコ語で話しかけるような家猫。

そんな家猫と戯れることができる場所(天国)がAnn Arborにあったのです…!

それが
Humane Society of Huron Valley
私の自宅から車で20~30分、
ノースキャンパスからなら10~15分かもしれません。

ここは捨てられたペットや、飼えなくなってしまったペット、
産まれたけど飼えない子ネコ・子犬などを保護し、
適切な処置を与えて次の飼い主さんに託すシェルターです。
日本ではシェルター文化はまだそんなに普及していないのかな?

説明会で聞いて詳細は忘れちゃったんだけど
年間の寄付金収入と運営費はウン億円単位。
設備はとても綺麗で、ペットを大事にする組織です。
フルタイムの有給職員もたくさんいます。

私はここでボランティア活動をしていました。
ボランティア関与時間と研修参加に応じて等級(Paw=肉球=肉級?)が上がり、
Paw1はお掃除や事務作業、Paw2は犬派、ネコ派に分かれます。
ネコ派Paw2の役割の目玉、それが
Cat Comforter
な、なんて甘美な名前・・・

そこで保護されているネコをブラッシングしたり、
膝にのせてナデナデしたり、
ネコじゃらしで遊んであげたり、
膝に乗せている間に眠らせちゃったり・・・
ネコたちは1日1回、Comforterにナデナデしてもらったらそれで終わりなので
性格や注意点をノートに記録して、翌日のシフトの人に託します。

子ネココーナーもあるのですが、
子ネコと大人ネコは別のブースにいて、1日のうち、どちらかしか触れません。
(病気等の感染防止)

兄弟姉妹子ネコと戯れて両手に子ネコ!をすることも好きですが
大人ネコと遊んで性格を見抜くのも私は好きだった。
こいつは首を撫でてほしいんだな、とか
手をそっと置いておくと安心するんだな、とか
ずっとミャーミャー言ってるけど、別に寂しいわけじゃなさそうだとか。

Comforterになるにはそれなりのcommitmentが必要なのですが
「ネコをなでるだけの簡単なお仕事」をいつか天職とできるよう、
しばらくは本職を頑張ります・・・。

科目評価 その3

以前MAPの頃に掲載していた報告書の転載シリーズ。
そろそろブログもフィナーレに近づいているので
書き溜めやら、言い残しやら、
使いまわせるものはどんどん使います。燃え尽きます。


2013年1月よりシンガポールNanyang Business School、インドIndian School of Businessに交換留学に行った。5月に米国に戻り、プロジェクトに携わった。

Retail Management (Nanyang Business School)
小売、一般消費者向けのマーケティングの科目。比較的基礎的な内容の講義とゲストスピーカーの講演、グループ発表によって構成される。授業はシンガポールをベースにしているが、アジア全体や中国マーケットに対する教材も扱った。グループ課題は某ブランドメーカーの春向け販売促進戦略を考えるという課題が出され、実際に店舗に訪問、インタビューをして店内商品のレイアウトや、キャンペーンなどを考えた。会計士試験で習ったことや実務経験のない分野だったので新鮮だった。

CSR(Nanyang Business School)
企業の社会的責任に関する授業。個人的に関心も強く、留学開始前にCSR関連のコンサルティングもしていたので履修したが、基礎・入門レベルで物足りなく感じた。

Rural marketing(Indian School of Business)
貧困層マーケティングやBOPビジネスと呼ばれる分野の授業。実際に田舎の村を訪問し、英語どころかヒンズー語も話せない人たち(ハイデラバードはテルグ語圏)に聞き込み調査をし、マーケティングプランを考えた。裕福で高学歴のMBA生にとっては、同じインド人であっても新しい気付きがあるようで、現地調査も授業も刺激に満ちていた。

Contemporary film industry(Indian School of Business)
インドの映画産業「ボリウッド」に関する授業。映画の撮影手法からマーケティング、ファイナンス、グローバル化などについて学んだ。クラスメイトも教授もボリウッド、ハリウッド問わず映画が大好きなのが伝わってきて、授業内容もおもしろかったが、日本人にとっては馴染みのない俳優、作品がほとんどで試験は厳しかった。

Strategic innovation management(Indian School of Business)
主にIT関連企業や製薬会社、特許権などに関する授業。イノベーションを起こすためのマネジメントや企業風土などについて主にハーバードビジネススクールやMITのケースを使い議論した。インドはITに強い学生が多く、トピックによってはとても専門的な発言をする学生がいて驚いた。

Family business(Indian School of Business)
家族経営企業に起こる課題や戦略をテーマにした授業。Tataをはじめ、インドには家族経営企業が多い。ゲストスピーカーから苦労した話などを聞いたり、インドにおける結婚や男女の立場の違い等を議論したり、新しく知ることが多かった。しかし根本では日本もインドも共通する部分が多く、経営学として以上に文化的にも良い学びになった。教授も著名でとても熱心に指導してくれた。

MAP
ミシガン大学ロスビジネススクールが売りの一つとしているコンサルティングプロジェクト。私は5人でチームを組み、約6週間かけて台湾の会社に対して市場調査、レポート提出、プレゼンを行った。内容は米国の薄手プラスチック市場の分析である。教授の指導も受けながら、実務的な課題であった。また、チームメンバーも異業種、異職種で構成されたため、監査とはまた違ったチームワークが要求され、刺激が多かった。




科目評価シリーズはこちらから 
その1 1年生Core編
その2 2年生Elective Fall編

デトロイトって怖いですか?

たまーに聞かれる質問。
「ミシガンってデトロイトの近くなんですよね?
 治安大丈夫ですか?」


単刀直入に言うと、
大丈夫です。行く必要ありませんから。

デトロイトには

デルタのハブ空港、デトロイト空港があります。

フォードミュージアムがあります。

モータウンミュージアムもあります。

デトロイトタイガースのスタジアムがあります。

デトロイト美術館があります(私は行ってない)

廃墟アートがあります。

廃墟があります。
20130825.jpg

時々、人っ子一人いません。

デトロイト市内の特定エリアの治安は全米でも最悪に入るレベルです。

もともと車産業が盛んな地だったのですが、
日本車の輸入が台頭したこととオイルショックが重なり
町から産業と人が消えてしまったのです。
更に交通機関も、基本的に車しかありません。
(市バスがあったけど、変な肝試しよりよっぽど怖いわ)

デトロイト、数回行きましたが、
平和ボケの日本人には異次元の空間です。
肌に治安の悪さがビリビリ伝わります。しびれます。

でも、ミシガン大学近辺まではこの感覚は続きません。
特定のエリアのみ、です。
デトロイトの治安が悪いエリアに行かなければならない理由は
ほとんど見つかりませんので、
ぜひご家族連れも、女性も、安心してミシガン大学を受験してください。



もしデトロイト空港で乗継時間ができちゃったら?
オススメは4,5時間までなら空港で時間をつぶすことですね。

ミシガン大学のあるアナーバーには1時間に1本程度、バスが出ています(参考記事)
7,8時間あったらミシガン大学を見にきてもいいかもしれませんが、
気候のいい春から秋限定で。
冬は外にいることが苦痛なので、空港で寝てたほうが身のためです。

空港はデトロイトの危険地帯から離れているので、治安の心配はありません。
デトロイト乗継になってしまった弾丸トラベラーの方、
残念ですが大人しくして方が良さそうです。

老若男女問わず
ひとりで廃墟とか見に行っちゃだめですよ!

廃墟素人の私が見ても廃墟は美しいことは美しいので、
マニアの方は複数人で、現地に詳しい人の助けを借りて、
十分に気をつけて行ってくださいね。きっと感動しますよ。

BoPマーケットの授業(2)

田舎町訪問と、課題について続き。(前回記事)

20130805_2.jpg
私はチームメイトが石けんについていろいろ聞いていたので、
それに便乗してある男性村人(消費者側)に
「この石けん、ISO基準とってるんだけど、
これが何か、知っているか、存在に気づいてるか」と聞いてもらいました。
(英語はもちろん通じないし、男性がかろうじてヒンディー語話せたけど、
奥さんや娘さんはテルグ語しか話せなかった)
ISO基準については
チームメイト自身もあまり気にしたことがないからうまく説明できなかったし、
その男性に至っては全く話が通じていなかったと。
すなわち、石けんのパッケージにISO取りました、
なんて書くのはBoPではナンセンス。
ボリウッドスターの顔写真でも入れたほうがよっぽどウケるのでしょう。

ちなみに、田舎の村や学校にインターネットが入って
インド人が1番始めに検索するのはシャー・ルク・カーンだそうです。
この決め顔わかってる感じw さすがインド人俳優。
20130805_1.jpg

私たちチームのビジネスプランは
Tirupatiというお寺に訪問する銀行兼旅行業者みたいなものになりました。
私がいいなと思ったのは、
旅行費用を半額積み立てたところでお参りには行けるという点。
お参りを終えた後、神様に見られている意識があれば
残金の踏み倒しはないだろうと見込んでのことです。

クラスの人気投票で優勝したプランは美容院ビジネス。
今も村に化粧品やクリームなどは届けられているけれど、
美容サービスについては届いていない。
化粧品メーカー等の企業が村の人を教育して美容師・エステティシャンにし、
女性の雇用を産む。
女性は結婚式で必ず美容院に行くから安定的な需要があり、
美容サロンなどに入りづらいと思う奥ゆかしい女性向けに
一般家庭の奥の一室を利用する、などが評価されていました。

田舎町訪問で得た気づきを1ページで、という個人課題もあったので転載します。
純ドメMBA生の英語力見てみたい人にもどうぞ。こんなもんです・・・。


Because of the language barrier, I couldn’t conduct an interview by myself. However, I followed some teammates and they translated for me. Also, visual image taught me a lot.

Far beyond urban market
We talked about soap. Rural people just recognize products’ name and no brand recognition, Unilever. The other soap printed ISO certification on its side, but he couldn’t understand what we are asking. He totally has no idea. In Japan, we always care about brand and certification or qualification.

Experience first, word of mouth second
When the man chooses soap, he relies on his experience. He also refers to word-of-mouth. When I asked about ads on TV, he said he has no idea. I suppose he must see some ads on TV or signboard on streets. He however can’t connect the advertisement and the product in his real life. TV is TV and not connected with real life in his mind. We stopped by a small store and talked with the owner and shopper. I suppose that bigger sachet must be popular, but the owner said Clinic Plus is the most popular and volume is not important. However, it is also not sure because he does not take surveys or statistical record. A female shopper answered us that she likes to try every shampoo. She has no preference so far. She also hears from word-of-mouth.

Flexible consumers
I asked a young mother who has a baby. The baby looked not wearing a diaper or underwear. I asked her whether she uses a diaper, supposing that she doesn’t know what a diaper is. Her reply was it depends; when the family travels, she uses diaper for her baby. I couldn’t find any diaper in small shops, so it was surprising to me. The other shopper at a small shop answered when she wants to buy a candy without English literacy, she asks a shop owner and show her budget. Her preference depends on budget.

Language barrier
I had a huge difficulty to analyze rural consumer behavior. Japanese market also has a huge language barrier. I can’t expect what foreign brands entered Japanese market, but I guess there must be hundreds of failures and losers. To enter BOP market seems profitable opportunity to many international companies though, it is quite challenging for them without local language speakers and culture understanding.

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